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モリソン号事件(モリソンごうじけん)

1837年(天保8),江戸湾に入ろうとしたアメリカ船を異国船打払令にもとづき,浦賀奉行が警備陣に砲撃させた事件。同船は鹿児島湾でも砲撃された。翌年オランダから同船が漂流民送還のため渡来したイギリス船(実際はアメリカ船)モリソン号であると伝えられ,これを武力で威嚇したことは,それに続く中国大陸でのアヘン戦争の情報とあわせて幕府に危機感を与えた。事件後渡辺崋山は「慎機論(しんきろん)」,高野長英は「戊戌(ぼじゅつ)夢物語」を著して幕府の打払政策を批判し,39年蛮社の獄での蘭学者弾圧のきっかけをつくった。また42年の薪水給与令へ政策転換させる契機となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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