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以仁王(もちひとおう)

生没 1151~80.5.26 後白河天皇の第3皇子。母は藤原季成(すえなり)の女成子。三条宮・高倉宮と称する。幼くして天台座主最雲(さいうん)の弟子となり,1165年(永万元)に元服。八条院の猶子(ゆうし)となるが,親王宣下をえられず不遇であった。皇位継承者と目されたが,79年(治承3)平清盛のクーデタにより父後白河上皇が幽閉され,翌年安徳天皇が即位,皇位の望みを絶たれた。同年源頼政の勧めに従い,最勝親王と自称し平氏追討の令旨(りょうじ)を発して挙兵を試みたが,準備の整わないうちに計画が露顕。このため園城寺に逃れ,さらに南都に逃走中,宇治川の戦で敗死。王の令旨は諸国の源氏に伝えられ,源頼朝・同義仲らの挙兵につながった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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