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木製農耕具(もくせいのうこうぐ)

一般的に弥生時代以降のものをさす。農耕具はすべてを1本の木で作るか,木と木を組み合わせるか,木と金属を組み合わせるかのいずれかである。大きく鍬・鋤(すき)・犂(すき)などの耕起具,えぶり・馬鍬(まぐわ)などの整地具,播種具,収穫具,杵・臼などの精白具がある。弥生時代の開始期にすでに農耕具の基本構成はそろっているが,道具を作る道具が石器から金属器に移行する弥生後期以降は,木材の加工技術が飛躍的に進み,古墳時代になると金属の刃をつけた農耕具が普及し,耕地の拡大をもたらした。また牛馬など畜力の導入は,それまでの人力主体の農耕具を大きく変化させ,農業技術の革新となった。その後の機械の登場まで木製農耕具は日本の農耕具の基本であった。現在,木製農耕具の起源を縄文時代にさかのぼらせる意見もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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