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蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)

「竹崎季長(すえなが)絵詞」とも。鎌倉後期の文永・弘安の2回にわたる蒙古軍との戦闘を描いた絵巻。戦闘に参加した肥後国の御家人竹崎五郎季長が,自分の武勲を中心に描かせたもの。巻末の文書に,この戦功によって恩賞をえたのは甲佐大明神の神恩によるものであり,その報恩と子孫への教訓のために絵巻を制作したとある。戦闘の詳しい状況や,武士たちの面貌の特色,さらに服飾など,細部まで描写しており,詞書(ことばがき)のほか,画中にも人名・地名が記入され,記録的な性格を示す。制作時期は,奥書の1293年(永仁元)頃と推定される。紙本着色,2巻。上巻,縦39.3cm,横2324.3cm。下巻,縦39.7cm,横1985.6cm。宮内庁蔵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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