無尽(むじん)
中世~近代を通じて発達した講組織による相互金融。ほぼ同義に用いる頼母子(たのもし)や合力銭(ごうりきせん)との相違はあまりはっきりしないが,起源が無尽銭にあるならば,無尽はもともと営利的性格をおびていた可能性がある。中世後半に入って頼母子と混用されるようになり,講の会合の際の共同飲食がうむ仲間意識に支えられた,相互扶助的な庶民金融として普及する。その一方で営利的な無尽も発達し,近世には射倖性を高めたものも現れて,一部の藩では無尽を禁止した。近代には会社組織の営業無尽が盛んに行われ,大正初期の段階で数百の無尽会社が確認される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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