南蛮屏風(なんばんびょうぶ)
16世紀後半~17世紀初期に来航した南蛮人の風俗を描いた屏風絵。現在六十数点の遺品が知られる。図様構成は,左隻に南蛮船の入港と荷揚げ・交易の風景,右隻に教会堂に向かうカピタンの一行と出迎えの宣教師を描く作例が多い。このほか上記の情景を右隻にひとまとめにし,左隻に異国における南蛮人の生活や南蛮船の出帆風景などを描くものもある。南蛮屏風の成立に関して,従来は画家が長崎で南蛮船の入港を実見して描いたと解説されてきたが,近年,室町時代の唐船・唐人行列図からの影響が指摘されている。狩野内膳をはじめ桃山時代の狩野派の画家も多く手がけている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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