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南朝(なんちょう)

吉野朝とも。南北朝期の二つの朝廷のうち,奈良県吉野地方を中心に存立した大覚寺統の朝廷。1336年(建武3・延元元)後醍醐天皇が吉野にのがれて光明天皇への譲位を否定し,公卿が追随したのに始まる。51年(観応2・正平6)北朝を廃して京都を奪回するが,まもなく退去。のちにも奪回に失敗し,しだいに勢力を失って92年(明徳3・元中9)後亀山天皇から北朝の後小松天皇に神器が渡され,北朝に吸収されるかたちで合一した。この皇統の子孫である後南朝は,皇位回復を試みて失敗。天皇は後醍醐・後村上・長慶・後亀山の4代。年号は延元・興国・正平・建徳・文中・天授・弘和・元中。制度などを伝える史料は少なく,実態は不明な点が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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