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南進論(なんしんろん)

太平洋の南洋諸島を勢力範囲に収めようとする,海軍主導の近代日本の海洋国家論・軍事戦略。日露戦後の太平洋における日米海軍問題に端を発し,当初は貿易関係の強化をめざす平和的進出論が多かった。ワシントン体制下では顕在化せず,1930年(昭和5)のロンドン海軍軍縮会議を契機とする艦隊派の勢力拡大,36年の国策の基準,ワシントン・ロンドン海軍軍縮条約の失効などにより,南方の戦略物資の獲得,作戦基地の確保という観点から再び浮上した。日米関係の悪化,太平洋戦争勃発の過程では大東亜共栄圏構想をうみだす一因となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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