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南海貿易(なんかいぼうえき)

琉球や日本と東南アジア諸国との貿易。琉球は14~16世紀の王国成立後,タイ,スマトラ,ジャワ,安南(あんなん)(ベトナム北部)などの諸国に往来し,琉球産の硫黄(いおう),中国産の高級絹繻子(しゅす)・陶磁器,日本産の刀剣・扇子などを輸出し,胡椒・蘇木(そぼく)・象牙などを輸入。輸入品は明・朝鮮・日本への輸出品となった。琉球の久米(くめ)村や東南アジア諸国に居住する華僑(かきょう)が,貿易の主要な役割を担った。日本には,15世紀に東南アジアからの南蛮船が若狭国小浜や薩摩国に来着したことがある。17世紀に朱印船が,タイのアユタヤ,安南の東京(トンキン),ルソン(フィリピン)のマニラなどに渡航して貿易し,日本町が形成されることもあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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