奈良屋市右衛門(ならやいちえもん)
江戸町年寄奈良屋の世襲名。初代市右衛門は大和国の豪族大館氏の一族で奈良に居住したが,三河時代から徳川家康に仕えたと伝える。本能寺の変の際,家康の伊賀越の供をした小笠原小太郎が改名したとの説もある。家康の関東入国以来,樽屋・喜多村とともに12代にわたり江戸町年寄を世襲。本町1丁目の拝領屋敷に役宅をおいて市政の一端を担った。1834年(天保5)10代市右衛門のとき,先祖にちなむ館(たち)の苗字を名のることを許された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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