納屋助左衛門(なやすけざえもん)
呂宋(ルソン)助左衛門とも。生没年不詳。織豊期の堺の貿易家。納屋氏は堺の上層市民,納屋衆の出身。「太閤記」などによると,1593年(文禄2)にルソンへ渡航して同地の珍貨をもたらし,豊臣秀吉に献上した。このとき舶載した真壺(まつぼ)(呂宋壺)は茶道の珍器としてもてはやされ,巨利を博したという。その後,秀吉の忌諱にふれ失脚したが,1607年(慶長12)カンボジアに渡航し,同地の国王の信任を得たといわれる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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