1. 用語
  2. 日本史 -な-
  3. 難波宮(なにわのみや)

難波宮(なにわのみや)

孝徳天皇による難波遷都以来,奈良時代末の難波大宮廃絶までの約150年間,難波地域に維持された宮殿群の総称。大阪市中心部の上町台地上に遺構がある。難波は津により西国および中国・朝鮮との海上交通の接点として機能し,古くは応神天皇の難波大隅宮,仁徳天皇の難波高津宮,欽明天皇の難波祝津宮(はふりつのみや)などが営まれ,倉庫群や大郡(おおごおり)・小郡(おごおり)などの迎賓施設も存在した。孝徳天皇の難波長柄豊碕宮(ながらのとよさきのみや)は,645年(大化元)の難波遷都により造営を開始し,将作大匠の倭漢直(やまとのあやのあたい)荒田井比羅夫(あらたいのひらふ)が造営を担当して652年(白雉3)に完成する。686年(朱鳥元)火災により焼失するが,以後も持統・文武・元正・聖武の各天皇による行幸がみられる。726年(神亀3)聖武天皇は藤原宇合(うまかい)を知造難波宮事に任じ宮を再建させ,宅地班給を行った。744年(天平16)には一時皇都とされたこともあるが,793年(延暦12)には難波大宮は停止された。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう