夏島貝塚(なつしまかいづか)
神奈川県横須賀市夏島町にある縄文時代の貝塚。1950・55年(昭和25・30)に杉原荘介らが調査。東西17m,南北14mで,貝層の厚さは1.5m。早期の各型式の土器群が層位的に出土し,撚糸(よりいと)文系土器の編年研究を前進させた。最下貝層から発見された撚糸文と縄文を主とする尖底(せんてい)土器は夏島式土器と命名。局部磨製石斧(せきふ)・石皿・石鏃や骨鏃・釣針などの骨角器がある。カキ・ハイガイなどの貝類,各種の魚骨は活発な漁労活動を示し,獣骨や犬の骨は狩猟活動の一端を示す。日本ではじめて炭素年代測定が行われ,9450±400B.Pという値がでて論議となった。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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