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那須国造碑(なすこくぞうひ)

栃木県大田原市湯津上(ゆづかみ)に現存する古代石碑。上侍塚(かみさむらいづか)・下侍塚両古墳などが分布する古代那須地方の中心部に立地。上に笠石が乗る碑身の前面を平滑に磨き,152字の銘文を1行19字詰めで8行に陰刻している。銘文は「永昌元年」(則天武后の元号)すなわち持統朝の689年に那須国造の那須直韋提(なすのあたいいて)が評督(ひょうとく)に任じられ,「庚子年」すなわち700年(文武4)に没したことをしのんで意斯麻呂(おしまろ)らが建碑した旨を記す前半3行と,韋提を顕賞する漢文体の後半5行からなり,墓碑の性格をもつ。7世紀の評制の存在を示す金石文。中国六朝(りくちょう)風の書風と漢文をよくとどめ,日本三古碑の一つとされる。笠石神社の神体。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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