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中務省(なかつかさしょう)

大宝・養老令制の官司。八省の一つ。天皇への近侍,勅命の起草および外部への伝達,臣下の上表の天皇への伝達,国史の編纂の監修,天皇に仕える女官の統轄などがおもな職掌。品官(ほんかん)には侍従・内舎人(うどねり)・内記・監物(けんもつ)・主鈴・典鑰(てんやく)などがあり,天皇の側近としての職務を担った。中宮職・図書(ずしょ)寮・内蔵(くら)寮・縫殿(ぬいどの)寮・陰陽(おんみょう)寮・画工司・内薬司・内礼司など多くの諸司を被管にもつ。大宝令以前に前身官司として中官があったとする説もあるが,浄御原令(きよみはらりょう)制にはなかった可能性が高く,品官や被管官司も独立して存在した。大宝・養老令制では官員の官位相当が高く,他の7省より上格だったが,実質的な職務は少なく,名誉職的であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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