奴国(なこく)
「魏志倭人伝」にみえる倭の一国。伊都(いと)国の東南100里の地にあり,官を兕馬觚(しまこ)といい,副官は邪馬台国(やまたいこく)から派遣された卑奴母離(ひなもり)といった。「後漢書」には,倭の奴国が57年遣使朝貢し,後漢の光武帝から印綬を与えられたとある。博多湾頭の福岡市志賀(しか)島から出土した金印は,そのとき与えられた印であろう。「日本書紀」にみえる那津(なのつ)はその遺跡。福岡市付近に存在した国で,春日市の須玖(すく)岡本遺跡は奴国に関連した遺跡とみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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