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寧波の乱(ニンポーのらん)

寧波争貢事件とも。1523年(大永3)中国の明の寧波での日本人同士の争乱。室町中期以降,遣明船の主導権をめぐり,堺の商人と結ぶ細川氏と,博多・門司(もじ)の商人と結ぶ大内氏が対立。大内義興の正使謙道宗設(けんどうそうせつ)らは,前回の入明時に受領した正徳の新勘合を所持して,23年寧波に到着。一方,細川高国の正使鸞岡瑞佐(らんこうずいさ)と明人宋素卿(そうそけい)は弘治の旧勘合を所持し,数日おくれて入明。宋素卿は不利を挽回するため,市舶司(しはくし)の官吏に賄賂(わいろ)を贈り,大内船より上位の待遇をえた。憤激した宗設らは市舶司の東庫から武器をもちだし,瑞佐を殺害。宋素卿を追い,寧波の沿道で放火狼藉(ろうぜき)を行った。宋素卿は乱後,明で獄死。事件後は,大内氏が遣明船の派遣を独占した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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