女院(にょいん)
「にょういん」とも。門院とも。院号を宣賜され太上天皇に準じる待遇をうけた女性の総称。10世紀末の一条天皇生母の皇太后藤原詮子(せんし)(東三条院)から,19世紀半ばの孝明天皇生母の典侍藤原雅子(新待賢門院)までの107人。初期の詮子と彰子は出家時だが,以後は必ずしも関係なく,没時や没後の宣賜もあった。(1)天皇生母の三后(国母后宮),(2)天皇生母でない,または非妻の三后(非国母后宮),(3)天皇准母または后位にない准三宮の内親王など(非国母准后),(4)天皇生母で后位にない准三宮の女御(にょうご)・典侍(ないしのすけ)など(国母准后)に分類できる。院号は殿邸・御領所のほか宮城内諸門に由来し,門号に限りがある場合は旧号に新・後を付した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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