日本神話(にほんしんわ)
一般に「古事記」「日本書紀」など日本の古典にみえる神々の物語。本来,日本の原始・古代の社会においては神話は一元的なものではなく,さまざまなかたちで生きていたと考えられる。しかし,現在目にすることができるのは,記紀といった,天皇の正統性を根拠づけるために,天皇とそれをめぐる狭い範囲の氏々の,神世からのつながりを語るところで成立した神話が大部分である。これらは元来の神話が体系化・政治化されてまとめられたものというより,記紀それぞれの固有の論理をもって成立したものであることを認識する必要がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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