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日本往生極楽記(にほんおうじょうごくらくき)

「日本往生伝」とも。平安時代,慶滋保胤(よししげのやすたね)が著した往生者の伝記。1冊。往生者の下限および「往生要集」の記事から,983年(永観元)以後,985年(寛和元)4月以前の成立と考えられるが,本書行基(ぎょうき)伝の注記によれば保胤の出家(986年)以前にいったん成立,兼明(かねあきら)親王の死後(987年)近い時期に保胤の手で増補されて現在のかたちになったらしい。「続本朝往生伝」序には寛和年間の作とある。総計45人の伝は国史・別伝類のほかは,著者みずからの見聞によると思われるものが多く,同時代人の割合が大きい。「本朝法華験記」「続本朝往生伝」以下の往生伝,「今昔物語集」などに多大の影響を与えた。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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