日本(にほん)
国民主義を掲げた明治後期の代表的新聞。1889年(明治22)2月11日,帝国憲法発布の日を期して「東京電報」を改め,陸羯南(くがかつなん)が谷干城(たてき)らの後援をえて日本新聞社から創刊。三宅雪嶺ら政教社の雑誌「日本人」とともにナショナリズムの立場から政府批判を展開。政論が中心で,三面記事も少なく小説もなかったが,正岡子規が創設した日本派俳壇の拠点となった。陸が病気になり,1906年6月「時事新報」出身の伊藤欽亮に譲渡されたが,商業紙に転換する新方針に反対して,旧来の社員20余人が退社。14年(大正3)末廃刊。最盛期の発行部数は約2万2000部。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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