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日本(にほん)

古くは倭(やまと)と称し,ほかに大八洲(おおやしま)・葦原中国(あしはらのなかつくに)・秋津島(あきづしま)の称もあった。しかし大宝公式令(くしきりょう)に,外国使臣に「明神御宇日本天皇」の語を用いると定め,702年(大宝2)の遣唐使が中国で「日本使臣」と称し,「旧唐書(くとうじょ)」東夷伝に,倭国と日本国の両伝を記しているように,8世紀初めには日本という国号が国際的に認知されていた。しかも「旧唐書」に,倭がその字を悪(にく)み,国が日の辺にあるをもって日本と改めたとあるのは,すでに隋への国書に「日出ずる処の天子」と記した思想と同じであるから,大宝令以前に「日本」と記した史料をすべて追記であるとは断定できない。国際的用語としての日本の号は,呉音でニッポン,また促音をともなわないニホンと音読されたが,国内ではヤマトとも訓読された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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