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入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)

最澄の遺志をうけ838年(承和5)に入唐した慈覚大師円仁(えんにん)の日記。揚州・山東半島・五台山・長安を巡礼した9年間の求法の旅の克明な記録で,唐代の社会・経済・仏教などに関して唐側史料に洩れた事実を豊富に含む。とくに地方官庁との交渉やその際発給された文書類,仏教教団の組織・儀礼,武宗の会昌(かいしょう)の廃仏,唐に居留する新羅人の生態とその実力者張宝高(ちょうほうこう)に関する記録などは重要。遣唐使に関しても,使節内部の唯一の逸文ではない記録として貴重。「続々群書類従」「大日本仏教全書」所収。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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