新田氏(にったし)
中世上野国の豪族。清和源氏。源義家の孫義重が,上野国新田荘(現,群馬県新田郡・太田市一帯)を開発して,新田氏を称したのに始まる。治承の内乱の際,源頼朝に従い,以後御家人となった。一族は,新田郡を中心に各地に広がり繁栄。庶家には,山名・里見・岩松・徳川・世良田(せらだ)・額戸(ぬかと)などがある。鎌倉後期,嫡流の義貞は後醍醐天皇に味方し,鎌倉を攻略して北条氏を滅ぼした。建武政権下では足利尊氏と対立,一族とともに南朝方につき,各地で戦ったが,1338年(暦応元・延元3)越前国で敗れ滅亡。庶流の岩松氏のみは,足利氏に従ったため存続し,新田荘を継承した。明治以降,新田姓に復し男爵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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