日米交渉(にちべいこうしょう)
太平洋戦争勃発前の約1年間,日米両国が戦争回避の目的で行った外交交渉。1941年(昭和16)4月野村吉三郎駐米大使とハル国務長官との交渉が始まり,日独伊三国同盟,日本軍の中国および仏印駐兵,日米通商問題などが中心議題となった。双方の主張はかけ離れ交渉は難航した。7月日本が南部仏印に進駐すると,アメリカは在米日本資産の凍結と石油の対日輸出全面禁止に踏み切った。東条内閣は対米交渉要領甲乙両案を決定,11月来栖(くるす)三郎を特使として派遣したが,アメリカが提示したいわゆるハル・ノートを最後通牒とうけとった日本は,御前会議で開戦の最終決定を行う。12月8日太平洋戦争に突入,日米交渉は失敗に終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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