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偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)

柳亭種彦作,歌川国貞画の合巻(ごうかん)。38編,各編4巻。1829~42年(文政12~天保13)江戸鶴屋喜右衛門刊。39・40編は草稿で伝えられる。「源氏物語」に取材し,その草双紙的翻案をはかった作品。大好評をもって世に迎えられたが,天保の改革に際し,華美な装丁が風俗取締りの対象となり,42年,絶版の処分をうける。大奥の生活をうがったものであるため処分の対象となったと巷間では噂された。続編として刊行された「其由縁鄙廼俤(そのゆかりひなのおもかげ)」など,多数の追随作をうむ。「新日本古典文学大系」「岩波文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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