ノロ
祝女とも。沖縄の女性神役の一つ。地域祭祀の司祭者の最高位の者。ノロとは,「宣る」あるいは「祈る」という言葉に由来するものかとされる。ノロの歴史は3段階にわけて考えられる。第1は琉球国の中央集権制が確立する以前の段階に,各地域の按司(あじ)の姉妹がノロとして祭祀を司祭していた。第2は琉球王国時代で,それまでのノロが聞得大君(きこえおおきみ)を頂点とする神職組織にくみこまれるようになった段階(尚真王時代に確立)。この当時のノロは首里王府から辞令と俸禄をうけ,「公儀ノロ」と称された。第3は明治期以降の王府崩壊後。王府のノロ制度は廃止され,各地のノロの祭祀世界はノロ継承者の不在などによって形骸化していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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