野麦峠(のむぎとうげ)
乗鞍岳(のりくらだけ)東南,長野・岐阜県境の峠。標高1672m。江戸時代は,信州側の牛方と飛騨高山の歩荷(ぼっか)が,米・清酒・白木・曲物・ブリなどを運んだ。1871年(明治4)筑摩県がおかれると,松本と高山を結ぶ公用路となる。また諏訪地方で製糸業が発達すると飛騨の少女たちが製糸工女として通ったが,1911年に中央本線が全通すると峠はさびれた。現在,供養塔と「ああ野麦峠」の碑がある。冬期間車は通行止となる。野麦とは熊笹の意か。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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