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怨霊(おんりょう)

恨みや執念をこの世に残して死亡し,さまざまな祟りをなす人の霊,御霊(ごりょう)のこと。御霊信仰は平安時代から盛んになり,政治的に非業(ひごう)の死をとげた菅原道真(みちざね)の怨霊が雷となって京に火災をもたらしたり,伴大納言の御霊が祟りをあらわして,悪性流行風邪をはやらせたりしたと信じられた。餓死者や戦乱による死者の霊も,怨霊となって飢饉や疫病・大火・日照り・水害・虫害・死傷などの祟りをなすとして,施餓鬼(せがき)・御霊祭を実施したり,念仏を詠唱し芸能を奉納した。長野県下伊那郡の遠山地方(現,飯田市)では,疫病や日照りになるのは一揆の折に死亡した領主の遠山一族の怨霊の祟りとされ,下栗(しもぐり)のかけ踊はそれを鎮め祭るために始められたと伝えられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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