女方(おんながた)
「おやま」とも。女形とも。歌舞伎の役柄。1629年(寛永6)江戸幕府が女優を禁止したためにおこり,寛永期の村山左近,慶安期の右近源左衛門らが元祖とされる。万治・延宝期に老役のかか方(のちに花車(かしゃ)方)と区別され,以来若女方とよんだ。当初若い俳優が勤めたが,18世紀中葉以降,年齢にかかわらず専門の職掌となった。特殊な技術を必要とし,芳沢あやめの「あやめぐさ」や初代瀬川菊之丞の「女方秘伝」など,すぐれた芸談・口伝が残る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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