園城寺(おんじょうじ)
三井(みい)寺・寺門(じもん)とも。滋賀県大津市園城寺町にある天台寺門宗の総本山。長等山と号す。7世紀後半に大友皇子の子,大友与多麿が創建したと伝える。859年(貞観元)円珍(えんちん)が再興して天台別院とし,以後,円珍門徒によってうけつがれた。993年(正暦4)円仁門徒の攻撃をうけた円珍門徒は比叡山を離れて園城寺に拠り,ここに山門派と寺門派が分離。以後天台宗の正統をめぐって長期の対立が続き,山門による7度の焼打をうけた。しかしそのつど皇室・摂関家などの庇護により復興。江戸時代には徳川氏の帰依を得て大いに栄えた。多数の寺宝を所蔵し,「五部心観」「不動明王像(黄不動)」・智証大師関係文書典籍はいずれも国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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