遠国奉行(おんごくぶぎょう)
江戸幕府が重要直轄地においた各地の奉行の総称。中央在勤の奉行に対してよびならわした。京都・大坂・駿府の各町奉行,伏見・奈良・堺・山田・日光・下田・浦賀・新潟・佐渡・長崎・箱館(はじめ蝦夷地奉行,のち松前奉行)・兵庫(幕末)・神奈川(幕末)などの各奉行をさす。初設年代は不同。上級の旗本から任命されたが,伏見奉行のみは大名の任。職掌は行政,警察など万般のことを扱ったが,権限は土地柄により相違があった。在任中江戸出府の際には必ず評定所に出席して,聴訴の法を見習った。老中支配。知行高1000~2000石,役料500~2000俵。布衣(ほい)。従五位下。下僚は与力・同心・地役人など。奉行間の異動,中央の重職へ昇進の道があった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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