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親方・子方(おやかた・こかた)

親分・子分とも。親方・子方関係とは子方が親方へ従属・奉仕するのと引替えに,親方は子方を庇護・援助するという人格的な社会関係で,個人間だけでなく家どうしの関係として,近世~近代に広くみられる。都市部では商家の主人と子飼の奉公人,商家同族団内での本家と分家,職人の親方と弟子がこれにあたり,得意先の分与や経営上の支援,技術の伝授などと引替えに,親方への奉仕や協力が義務づけられた。農村部では有力な百姓とそこから分出した血縁・非血縁の分家や,大地主とそれに経済的に隷属する小作人との関係にあたる。耕作地の分与や生活上の保護をうけるかわりに,冠婚葬祭などにかかわる労働提供などが求められた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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