1. 用語
  2. 日本史 -お-
  3. 表千家(おもてせんけ)

表千家(おもてせんけ)

江戸初期にわかれた茶道三千家(さんせんけ)の一つ。千利休の建立した茶室不審庵(ふしんあん)を,2世千少庵(しょうあん)をへて3世を千宗旦(そうたん)から三男江岑宗左(こうしんそうさ)が譲られて不審庵4世を唱えたのに始まる。豊臣秀吉・徳川家康からうけた土地の表屋敷の茶室不審庵を継承したのでこの名がある。4世宗左から幕末に至るまで,紀伊徳川家の茶頭(さどう)を勤め,その庇護のもとにあった。利休を1世とし現14世而妙斎(じみょうさい)宗左に至るまで,家元を継承。なかでも江戸中期の6世覚々斎原叟(げんそう)は,大坂の鴻池善右衛門や和泉屋吉左衛門らの富豪の支持をえて隆盛に導いた。7世如心斎天然宗左は,それまでの形式主義的な茶事に遊戯性をとりいれた「千家七事式(しちじしき)」を数人の高弟とともに考案。これは茶事を多人数で楽しめたことから民衆にうけいれられ,流派を不動のものとした。現在は京都市上京区に所在。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう