オホーツク文化(オホーツクぶんか)
オホーツク式土器を使用している文化。7世紀頃から12・13世紀頃にかけて,北海道の利尻・礼文両島からオホーツク海沿岸一帯に分布。遺跡は海浜に立地し,多数の海獣骨(クジラなど)を出土することから海洋狩猟民文化であったとの意見もあるが,狩猟・漁労が主であったと考えられる。平面が五角形・六角形の竪穴住居内に,「コ」の字形の粘土敷面を作るなどの特徴をもつ。また熊に対する特殊な儀礼・信仰をもっていた。遺物は土器以外に,骨角器・鉄器・青銅器などがあり,中国北宋代の古銭や遼の土器なども伴う。オホーツク文化には沿海州の靺鞨(まっかつ)・女真(じょしん)文化,あるいはその背後のポリツェ文化,中国東北地方の文化などとの関連が色濃く認められる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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