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小野小町(おののこまち)

生没年不詳。平安前期の歌人。六歌仙・三十六歌仙の1人。系譜については諸説あるが疑わしい。経歴も未詳。歌は「古今集」仮名序に「あはれなるやうにて,つよからず。いはば,よき女のなやめるところあるに似たり」と評される。情念と哀愁をあわせもった恋歌が多く,王朝女流文学の先駆として重要な歌人。阿倍清行・小野貞樹(さだき)・文屋康秀(ふんやのやすひで)・遍照(へんじょう)らとの贈答歌が残る。「古今集」に18首など勅撰集入集は66首。家集「小町集」。美貌の歌人として知られ,平安後期以降さまざまの説話・伝説がうまれた。晩年には零落したとするものが多く,謡曲や御伽草子(おとぎぞうし)のような文学作品のほか,各地に遺跡と称するものが残る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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