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御伽草子(おとぎぞうし)

狭義には,江戸中期に出版された23編の物語草子「御伽文庫」をさす。広くは,室町時代から江戸前期にかけて作られた物語数百編の総称としても用いる。今日では「御伽草子」を書物名に限定し,物語類の総称としては室町物語などとよぶことが多い。広義の御伽草子(室町物語)は,(1)公家物(「岩屋の草子」など),(2)僧侶・宗教物(「秋夜長物語」「熊野の本地」など),(3)武家物(「酒呑(しゅてん)童子」など),(4)庶民物(「文正(ぶんしょう)草子」など),(5)異国物(「二十四孝」など),(6)異類物(「鴉鷺(あろ)合戦物語」など)に分類される。作者・成立が不詳であること,主人公が神仏によって授けられた申し子で,最後に神仏として現れる本地物の体裁をとることなどが特徴。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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