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小田城(おだじょう)

茨城県つくば市にあった中世~近世初頭の城。北畠親房が「神皇正統記」を著した場所として知られ,小田氏累代の本拠であった。筑波山の南側,宝篋(ほうきょう)山南麓にある。南北朝期は南朝方の有力拠点で,戦国期の小田氏治の頃はたびたび佐竹氏に攻められた。土塁をともなった方形の郭が主郭で,これを囲いこむように堀で区画された馬出しや帯郭などが配される。北側にある標高119mの前山も城域とし,広い面積にわたり縄張される。はじめ館として出発したが,徐々に改修が加えられ,戦国期には大規模な城館になった。現在一部が住宅地などになっているが,発掘調査で柱穴・堀・井戸などの遺構が確認され,かわらけや内耳鍋などが出土。城跡は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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