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尾崎紅葉(おざきこうよう)

生没 1867.12.16~1903.10.30 明治期の小説家。本名徳太郎,別号は十千万堂など。江戸生れ。父惣蔵は角彫りの名手で,赤羽織の谷斎とよばれる幇間(ほうかん)でもあった。1883年(明治16)大学予備門に入学。山田美妙・石橋思案・丸岡九華らと知り合い,85年硯友社を結成,「我楽多(がらくた)文庫」を創刊。89年「二人比丘尼色懺悔(ににんびくにいろざんげ)」を「新著百種」第1号として発刊,出世作となる。帝国大学文科に在籍のまま読売新聞社員となり,西鶴を模した雅俗折衷文体の「伽羅枕(きゃらまくら)」「三人妻」,知識人の内面を描いた「多情多恨」を発表。97年から死の直前まで書き続けられた「金色夜叉」は,金銭と愛情の相克を描いて広く国民に迎えられた。門下生に泉鏡花・徳田秋声・小栗風葉・柳川春葉らがいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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