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御蔵(おくら)

江戸時代,幕府が幕領からの年貢米を収納・保管した倉庫。1620年(元和6)に設置された江戸浅草の御蔵が最大で最重要な米蔵であった。浅草御蔵には,36年(寛永13)にはじめて蔵奉行3名が任命されたといわれるが,実際にはそれ以前に存在した可能性がある。蔵奉行は勘定奉行の支配下に属し,はじめは大番からの出役だったが,やがて勘定方出身者が占めるようになる。江戸ではのち両国・本所にも御蔵が設けられたが,両国御蔵はやがて浅草御蔵に吸収された。畿内では浅草御蔵とともに三御蔵とよばれた大坂・二条の御蔵,および淀・伏見の御蔵があり,いずれも浅草御蔵より早く設置されていた。のち難波・天王寺にも開設された。ほかに長崎・大津にもおかれていたが,大津御蔵は元禄年間に廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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