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沖縄貝塚文化(おきなわかいづかぶんか)

沖縄の新石器時代は,島嶼性を反映して貝塚が多いこと,その終末期は平安時代平行期に及ぶこと,縄文時代人の文化を源流にしつつも独自性が強いことなどから,貝塚時代の名称が使用されている。早期前半は縄文草創期の爪形文系土器との類似を特徴とするが,本土の爪形文土器よりは新しいとする見解が主流である。後半は縄文前期の曾畑(そばた)式土器や室川(むろかわ)下層式土器があり,いくらか南島的色彩もみられる。縄文中期平行期は不明だが,近年面縄(おもなわ)前庭様式土器群がそれに相当するとされ,完全に南島独自の型式を創造している。貝塚文化前・中期は縄文後・晩期にそれぞれ対応し,沖縄諸島全域への波及とともに,島嶼性にもとづく独自色をいっそう強める。後期初頭は弥生時代に平行し,九州との貝輪材交易が盛んに行われ,移入弥生土器や青銅器も伴うが,農耕をうけいれた痕跡はない。後期半ば頃からはしだいに日本本土の文化的影響がうすれ,独自の道を歩む。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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