岡田啓介内閣(おかだけいすけないかく)
予備役海軍大将岡田啓介を首班とする内閣(1934.7.8~36.3.9)。現状維持を期待されたが政友会の支持をえられず,民政党を準与党としつつ後藤文夫内相らの新官僚に依拠し,社会大衆党とも関係をもって,革新的色彩を強めた。内閣調査局の設置や,ワシントン海軍軍縮条約の廃棄,ロンドン軍縮会議からの脱退などは,その現れである。高橋是清蔵相は赤字公債による軍事費拡大を抑制しようとしたが,陸軍は華北分離工作,在満機構改革問題,天皇機関説問題などで政府を揺さぶった。第19回総選挙では選挙粛正運動を展開し,民政党が勝利を収めたが,2・26事件によって内閣は総辞職した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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