大番役(おおばんやく)
平安末~鎌倉時代,内裏や院御所・摂関家・将軍御所を警固する役をいい,それぞれ内裏大番役(大内大番役・京都大番役)・摂関家大番役・鎌倉大番役とよばれた。たんに大番役といえば内裏大番役をさすことが多い。内裏大番役は平安後期以来,諸国の武士が交代で上京して勤め,やがて平氏がその統率にあたった。鎌倉幕府もこの制度をうけ継いだが,勤仕者を御家人に限った。御家人は国ごとに守護の指揮をうけて勤番し,1回の期間は3カ月ないし6カ月。在京中の大番衆は,初期には京都守護,ついで六波羅探題の統制下にあった。内裏大番役の勤仕は御家人の証しとなったが,その経費は彼らにとって相当の負担であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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