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大津事件(おおつじけん)

湖南事件とも。1891年(明治24)滋賀県大津でロシア皇太子が襲われた事件。シベリア鉄道起工式にのぞむ途中来日したニコライ皇太子(のちニコライ2世)に,5月11日警備の巡査津田三蔵が斬りつけ頭部に傷を負わせ,朝野に衝撃を与えた。明治天皇は13日京都宿所に,19日神戸出航当日露艦に皇太子を見舞った。成立直後の松方内閣閣僚・元老らは犯人を皇室罪で死刑に処す意向だったが,大審院長児島惟謙(いけん)は特別法廷(大津地裁で開廷)担当判事らに通常謀殺未遂の適用を説得,無期徒刑の判決を下させ司法権の独立を守ったとされる。青木周蔵外相らは引責辞職。津田は釧路集治監で9月病死。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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