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大田文(おおたぶみ)

田数帳・図田帳・田数目録とも。中世,とくに鎌倉時代に作成された文書で,一国内の荘園・公領すべてについてその田地面積や領有関係などを記したもの。国司が命じて作成させたものと,幕府の命で各国守護が作成させたものがある。前者は伊勢役夫工米(いせやくぶくまい)・内裏造営・諸国一宮造営など一国平均役の賦課に際して,後者は地頭への御家人役賦課のために作成されたが,いずれも実際には国衙(こくが)の在庁官人が調査・作成した。大田文に所載の田は公田(こうでん)とよばれ,その数値は室町時代に至っても,国家的賦課の基準として重要視された。ただ現実の田数との乖離はしだいに大きくなった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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