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大蔵永常(おおくらながつね)

生没 1768~1860? 江戸時代の三大農学者の1人。豊後国日田郡隈町の商家兼業農家に生まれ,生蝋問屋に奉公。20歳の頃離郷し,九州各地を放浪。1796年(寛政8)大坂に出,苗木・農具取次商として畿内各地を回るうち,農民向けの参考書の必要を感じ,1802年(享和2)「農家益」を出版。25年(文政8)江戸に移り,農書の著述に専念しながら全国各地の取材と調査を行った。34年(天保5)渡辺崋山のすすめで三河国田原藩の興産方となるが,39年の蛮社の獄(ばんしゃのごく)にともない解雇。のち水野忠邦の遠江国浜松藩に一時仕えた。79歳で再び江戸に戻り,さらに大坂に移って著述に専念。「広益国産考」「農具便利論」「綿圃要務」「老農茶話」「油菜録」「製油録」など著書多数。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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