1. 用語
  2. 日本史 -お-
  3. 大鏡(おおかがみ)

大鏡(おおかがみ)

「世継(よつぎ)」「世継物語」とも。平安時代の歴史物語。作者・成立年代は諸説あり未詳だが,作者が男性であることは確実。190歳の大宅世継(おおやけのよつぎ)と180歳の夏山繁樹(しげき)という2人の老人が歴史を語り,さらに口をはさむ若侍を配するという形式をとる。語りの場は1025年(万寿2)に設定。紀伝体で,序・天皇紀・大臣列伝・藤原氏物語・雑々物語からなる。天皇は文徳から後一条まで,摂関は藤原冬嗣から道長までを対象とし,摂関時代の始まりからその頂点までを扱う。先行の「栄花物語」が女性作者による道長賛美の歴史であるのに対し,政権争いにからむ生き生きとした人間像を描く。いわゆる鏡物の最初で,後代に与えた影響は大きい。「日本古典文学全集」「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう