大奥(おおおく)
江戸城の本丸・西丸などで,将軍やその父・世子の妻妾が生活していた場所。本丸の場合は,幕府の政治機構がおかれていた表,将軍が日常生活を送る中奥(なかおく)に対していう。御錠口(おじょうぐち)から北側が中奥で,中奥と大奥の間には上御鈴廊下があり,将軍だけが通行できた。その際には鈴のついた紐をひいて知らせる。大奥の内部は,妻妾の居室である御殿向(ごてんむき)・奥女中の居室である長局(ながつぼね)向・御広敷向の三つにわかれ,御広敷向のみ大奥の事務を担当する武士が勤務していたが,御殿向・長局向は将軍以外男子禁制であった。大奥には,将軍の妻妾のほか,上臈(じょうろう)を筆頭に御年寄・中年寄・御客会釈(あしらい)・中臈などの大奥女中がおかれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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