遠江・駿河両国の境を流れる大井川の渡。川幅が広く急流のため架橋は困難で,江戸時代は歩行(徒)越(かちごし)によって渡河した。「箱根八里は馬でも越すが,越すに越されぬ大井川」といわれたように,大井川の川越は難しかった。はじめ旅行者は勝手に渡河したが,危険がともなうため一定の渡場が決められ,川越人足の手引きによって渡河する制度が成立した。徒渉制は交通を阻む要因でもあり,明治維新後は渡船となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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