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近江国(おうみのくに)

東山道の国。現在の滋賀県。「延喜式」の等級は大国。「和名抄」では滋賀・栗本(くるもと)(栗太)・甲賀・野洲(やす)・蒲生(がもう)・神埼・愛智(えち)・犬上・坂田・浅井・伊香(いかこ)・高島の12郡からなる。天智天皇により一時近江大津宮が営まれたほか,紫香楽(しがらき)宮・保良(ほら)宮なども造営された。壬申の乱や恵美押勝(えみのおしかつ)の乱の合戦地。国府は栗太郡(現,大津市)にあり,国分寺も同地におかれたが焼失し,国昌寺に定められた。石山寺・園城寺・延暦寺など大寺院も多い。「和名抄」所載田数は3万3402町余。「延喜式」では調は綾・帛・絹や雑器,庸は米など。鎌倉・室町時代にかけて佐々木氏が守護に補任された。中世には在地勢力の活動もめざましく,しばしば土一揆がおきた。近世は彦根藩・膳所(ぜぜ)藩をはじめとする多数の藩があり,他国大名の藩領,幕領,旗本領,宮家領,寺社領が錯雑していた。1868年(明治元)幕領,旗本領などが大津県となり,71年の廃藩置県の後,大津県と長浜県が成立,72年大津県が滋賀県,長浜県が犬上県と改称,同年両県が合併して滋賀県が成立。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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